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資源・エネルギー鎌田浩毅の役に立つ地学

間もなくノーベル賞 昨年物理学賞の真鍋氏の功績

世界の地球温暖化研究の根幹/117

 10月はノーベル賞の季節である。昨年のノーベル物理学賞は、米プリンストン大学上席研究員の真鍋淑郎(まなべしゅくろう)博士が受賞した。日本人のノーベル賞受賞は28人目(米国籍含む)とされる。真鍋博士は地球気候を正確に再現する原理を開発し、複雑な気候変動の予測方法を切り開いたパイオニアでもある。

 彼とともにコンピューターによる気候の再現技術を開発したクラウス・ハッセルマン博士(独マックスプランク気象学研究所)と、複雑な気候現象の理論構築に貢献したジョルジョ・パリージ博士(伊ローマ・サピエンツァ大学)も受賞した。

 真鍋博士は1960年代に地球大気の変化をコンピューターで効率よく再現する方法を開発した。地球の気候は多数の要因が複雑に絡み合って成り立っており、予測が極めて難しい。そこで博士は最初に、大気中の二酸化炭素(CO₂)濃度が上がると地表の温度上昇をもたらすことを明らかにした。

 具体的には大気と海洋を結合した物質循環モデルを提唱し、CO₂が気候に与える影響を世界に先駆けて明らかにした(図)。画期的だったのは、当時は誰も考えなかった大気モデルと海洋モデルを合体するシミュレーションモデルを開発したことにある。

温暖化研究の根幹

 その後、ハッセルマン博士やパリージ博士ら、国境を超えた研究者らの貢献によって、計算精度を飛躍的に高めることに成功した。その結果、大気中のCO₂濃度の上昇により地球全体の平均気温が上がることが、計算結果と実測データで合致するようになった。

 原理を説明しておこう。地球に届く太陽光エネルギーと地球から宇宙へ放出されるエネルギーを単純計算すると、地表温度はマイナス18度になる。ただ、実際の地表の温度の平均はプラス15度程度で、人間をは…

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