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資源・エネルギー鎌田浩毅の役に立つ地学

琉球海溝と南海トラフで揺れが連動するM9級地震の懸念も

南西諸島周辺でM8級の可能性/120

 台湾の東部で9月18日、マグニチュード(M)6.8の地震が起きた。台湾と日本はいずれも「環太平洋火山帯」に位置し、フィリピン海プレートの沈み込みによって地殻変動が生じるという地学上の共通点がある。台湾の東側には日本領の南西諸島が続き、南に沿って長さ1000キロの琉球海溝がある。琉球海溝はさらに東方の海底で南海トラフと接続し、両者は近い将来に巨大地震が起こると想定されている。

 政府の地震調査委員会は今年3月に公表した南西諸島や日向灘周辺における海溝型地震の長期評価(第2版)で、南西諸島や与那国島周辺にM8の巨大地震が起きる可能性があるとした。また、今後30年以内にM7の地震が起きる確率は、与那国島周辺で90%程度以上、また沖縄本島に近い南西諸島北西沖で60%程度と評価した。

 これまで琉球海溝では、数百年に1度の頻度で巨大津波が繰り返し発生してきたことが、津波堆積(たいせき)物の調査から判明している。江戸時代中期の1771年には、琉球海溝を震源とする高さ30メートルの大津波が八重山諸島を襲い、宮古・八重山で1万2000人の死者・行方不明者を出した。「八重山地震津波」または「明和の大津波」と呼ばれる激甚災害である。

石垣島に「津波石」

 琉球海溝に向いた石垣島の東海岸には、この津波で海底から運ばれた重さ200トンを超える巨大な石がたくさん転がっている。これらは「津波石」と呼ばれているが、分布と年代測定から過去にも同様な規模の大津波が繰り返し発生したことが分かってきた。具体的には、約2000年間に八重山地震津波と同規模の津波が少なくとも3回発生し、琉球海溝では150~600年の周期で大津波が発生したと考えられている。

 地震調査委員会の長期評価は琉球海溝で起きる地震に関するものだが、もう一つ大きな懸念がある。それは南海トラフと琉球海溝の海溝型地震が連動するシナリオであり、2011年の東日本大震災と同規模のM9クラスの超巨大地震が起きる可能性が指摘さ…

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