投資・運用 バイオ株投信
ポストコロナは医薬株ファンドの追い風に (編集部)
日本国内には運用期間の長い二つの代表的なバイオ関連株ファンドがある。一つ目は、ピクテ・ジャパンが運用する「ピクテ・バイオ医療薬ファンド(毎月決算型)為替ヘッジ無しコース」だ。マザーファンドは2000年4月に設定され、同ファンド以外にも、1年決算型やオンライン専用の商品がある。
バイオテクノロジーを用いて新薬を開発するバイオ医薬品企業に投資する。22年9月末の組み入れ銘柄数は60銘柄で、国別の構成は米国が89%を占める。組み入れの首位はHIVやC型肝炎などの感染症治療薬に強みがある米ギリアド・サイエンシズ、2位は希少疾患の治療薬を手掛ける米バーテックス・ファーマシューティカルズだ。調査チームはスイスのチューリヒに4人在籍する。純資産残高は743億円で、04年10月の設定来の騰落率は380%(分配金再投資後)だ。「コロナは医薬業界にとって、治験や普通の手術が止まってしまったので、すごくネガティブだった。ポストコロナで市場が正常化すれば、景気に関係なく成長する医薬業界にとって追い風」(野中靖・投資情報部長)と期待する。
二つ目は、三菱UFJ国際投信の「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド(愛称:健次)」だ。
充実した運用チーム
マザーファンドは2000年7月から設定されている。毎月分配型だが、同じマザーファンドで年1回決算型もある。純資産残高は9月末で1998億円。運用は、米国のウエリントン・マネージメントが手掛け、医療・医薬分野に精通した16人のメンバーが銘柄を選定する。組み入れ銘柄数は73銘柄。特徴は、バイオだけでなく、ヘルスケア企業全般に投資していること。組み入れの首位は医療保険などを提供する米ユナイテッドヘルス・グループ、2位は製薬大手の米イーライ・リリー。04年2月の設定来の騰落率は411%(分配金再投資後)だ。
(編集部)
週刊エコノミスト2022年11月8日号掲載
ポストコロナの成長に期待 バイオ株特化と医療全般型=編集部