教養・歴史小川仁志の哲学でスッキリ問題解決

新しい情報の整理と理解を進める方法を教えてください/149

ドニ・ディドロ(1713~1784年)。フランスの哲学者、作家。『百科全書』の編集によって、百科全書派の理論的指導者と称される。著書に『哲学断想』などがある。(イラスト:いご昭二)
ドニ・ディドロ(1713~1784年)。フランスの哲学者、作家。『百科全書』の編集によって、百科全書派の理論的指導者と称される。著書に『哲学断想』などがある。(イラスト:いご昭二)

Q 新しい情報の整理と理解を進める方法を教えてください

 たくさんの情報を整理するのが苦手です。特に最近は新しいことが次々と出てくるので、1冊専門書を読めば済むという状況ではなくなって困っています。どうすればいいでしょうか?(鉄道会社勤務・50代男性)

A 情報=真理を相互に結び証明していく「哲学的精神」で知の体系を作ろう

 いまや高度情報化社会を超えて、超情報化社会などという言葉が使われることもありますよね。テクノロジーの進化のおかげで、もはや情報は無限に収集可能な時代になったといっても過言ではありません。

 ただ、そうした情報をどう整理するかについては、いまだに人間の頭に委ねられているのです。なぜなら、知の体系をどう作るかは、私たちの考え方次第だからです。そこで参考にしたいのが、18世紀に知の体系ともいうべき『百科全書』を編集したフランスの哲学者ドニ・ディドロです。

 彼は、当時の最新の知を一つにまとめ、この事典を近代啓蒙(けいもう)思想の集大成ともいえる大作に仕上げました。『百科全書』はもちろん知を集めたものですが、単に何もかもを一つにしたというわけではありませんし、各分野の項目を機械的に並べたものでもないのです。だからこそ、思想書たりうるわけですが、その秘訣(ひけつ)はディドロの哲学にあったといっていいでしょう。

情報で徐々に塊を作る

 彼が自らこの本の「哲学」の項目を執筆した際に強調したのは、体系的精神よりも「哲学的精神」が重要だという点です。体系的精神というのは、あらかじめ設計図を作って、そこに知を当てはめていくような思考法です。しかし、これではその外側にあるものが目に入ってこな…

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