金利上昇で銀行の資産拡大に逆風 市岡繁男
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世界最大級のヘッジファンド、エリオット・マネジメント社は11月上旬、顧客に「世界は戦後最悪の金融危機に向かっている」と警鐘を鳴らした。「安価な資金の時代は終焉(しゅうえん)を迎え、金融は極度のストレスに晒(さら)されている。バブル崩壊で株価はピーク時の半値に向かい、『1987年や2000年、08年の金融危機は何とかなった』という経験則は通用しない」という。同社は77年の設立以来、2回しか損失を出していない。
米金融サイトGold Money.comも同様の警告を発している。「長期の金利低下局面が終わった今、600兆ドル規模のデリバティブ解消過程で、金融システムを揺るがす損失が発生する」というのだ。いわく「銀行の利益はバランスシート(B/S)の総資産と純資産の比率(レバレッジ)を拡大することで増える。世界の金融システム上、重要な大手行の中で、最もレバレッジの高い銀行は欧州と日本にある(図1)。
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週刊エコノミスト
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