スペインでは2023年よりベビーブーム世代（1958～77年生まれ）の大量退職期が始まる。政府は年金財政の逼迫(ひっぱく)に備えて、年金額を平均余命に連動させる仕組みに変える予定だったが、撤回した。新制度は繰り下げ受給する人に年金額を割り増すなど、退職時期の先延ばしを奨励する内容が中心だ。

　スペインで11月上旬に開かれた長寿国際会議では、ノーベル賞経済学者のリチャード・セイラー氏が「年金制度は崩壊しないが、働き手がもっと必要だ。赤ん坊か移民を増…