ニューヨーク・フィルの本拠地の改修終了 伊熊啓輔
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ニューヨーク市の高級住宅地アッパーウエストサイドにある「リンカーンセンター」はメトロポリタン歌劇場、ジュリアード音楽院、デビッド・ゲフィン・ホールなどからなる総合芸術施設だ。
建設が始まった1950年代まで、この場所にはアフリカ系やプエルトリコ系アメリカ人が多く住むサンファンヒルと呼ばれた地区だった。ダンスホールやジャズクラブも建ち並び、著名ジャズピアニストが育つなど、音楽文化が栄えた所だった。
ところが市当局はスラム浄化を名目に再開発を決め、約7000世帯を立ち退かせて収用したという。61年公開の名作映画「ウエスト・サイド物語」は廃虚となったサンファンヒル跡地で撮影された。
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