教養・歴史小川仁志の哲学でスッキリ問題解決

仕事に熱が入りません。やる気を出す方法を教えてください/155

稲盛和夫(1932~2022年)。日本の実業家。ビジネスで経済に貢献しただけでなく、京都賞の創設など公益のためにも尽力した。著書に『京セラフィロソフィ』などがある。(イラスト:いご昭二)
稲盛和夫(1932~2022年)。日本の実業家。ビジネスで経済に貢献しただけでなく、京都賞の創設など公益のためにも尽力した。著書に『京セラフィロソフィ』などがある。(イラスト:いご昭二)

Q 仕事に熱が入りません。やる気を出す方法を教えてください

 仕事に熱が入りません。どうすればやる気が出るでしょうか。人生の長い時間を費やすものなので、もっと前向きになりたいのですが。(証券会社勤務・30代男性)

A 仕事は人間性の構築にも寄与。そして働く=精進は人生の目的なのです

 多くの人は生きるために仕事をしているのでしょう。だから、常に熱が入っているわけではないと思います。ただ、それだと人生の時間がもったいないですよね。そこで参考にしたいのが、惜しくも2022年8月に亡くなった稲盛和夫の思想です。稲盛といえば、京セラやDDI(現KDDI)の創業者として知られる偉大な経営者ですが、同時に哲学やフィロソフィという言葉を好んで使った思想家でもあるといえます。

 著書を読めばわかりますが、得度していることもあってか、その言葉はまさに哲学です。稲盛によると、人生の目的は魂を磨くことにあるといいます。そのためには精進、つまり一生懸命働くことだと喝破します。目の前の仕事に打ち込むということです。働くことは生活するための手段というだけではなく、人間性を作っていく効果があるからです。

好きと打ち込むは一体

 では、いったいどこまで打ち込めば魂が磨かれるレベルに到達するのか?

 たとえば稲盛は、現実になる姿がカラーで見えてきたかどうかを一つのメルクマールとしています。これは比喩ですが、イメージがリアルになる…

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