3時間超の続編だが、映像技術の進化と王道のストーリーで見飽きさせない 勝田友巳
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映画 アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
ジェームズ・キャメロン監督、なにやら神がかっている。2009年の「アバター」で惑星パンドラを創世し、デジタル3D上映のために世界の映画館の設備を一新。大ヒットして興行収入は今も世界一。それから13年、続編4本を同時進行で製作し、「ウェイ・オブ・ウォーター」はシリーズ第2作だ。さらなる技術開発でパンドラの世界は拡大、深化した。
お話の骨格は、パンドラを侵略する地球人とこの星の種族ナヴィとの闘いと交流である。前作で主人公の地球人ジェイクは、人造ナヴィのアバター(分身)を遠隔操作して地元民と接触し、やがてナヴィの一員として人間と闘う。戦闘で命を落とすものの、パンドラの力によってナヴィとして再生した。
本作でジェイクは、父親となり、族長として森に住む民を率いている。地球人が再び襲来、前作で倒した宿敵クオリッチのDNAと記憶を持った人造ナヴィがジェイクを追い、一家は海の部族の元に身を寄せる。
映像は掛け値なしに素晴らしい。青い皮膚で身長3メートル、人間と似て非なるナヴィは、俳優の動きをデジタル化して記録するモーションキャプチャーを使ってCGで作られているが、その精度が格段に上がった。「アバター」は動植物からパンドラの風景まで、ほぼ全部がCGの作り物、つまりアニメに近い。しかし奇抜な動植物の生態系を構築し、画面の隅々まで作り込んで実写と見まごうばかり。…
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週刊エコノミスト
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