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2022年相場の注目すべき4点 市岡繁男

 2022年の相場を振り返ると次の4点が注目される。1点目は、トルコやアルゼンチンの株価が急騰していることだ(図1)。前年比80%もの超インフレ国では、預貯金よりも株式が選好されるのだ。両国の株価は、ドル建てでもおのおの9割高、2割高と好調に見えるが、これは為替レートが公定と実勢で乖離(かいり)しているからだ。

 2点目は、ウクライナ戦争で高騰していた商品相場は年後半から失速し、ニッケル等を除いてマイナスとなりそうなことだ。なかでも物価への影響が大きい原油は、昨年6月のピークから4割も急落し、インフレより不況が懸念され始めた。実際、全米の企業収益は、米連邦準備制度理事会(FRB)の総資産に1年半遅れて連動していることを踏まえれば、今年は大幅減益となる可能性が高い(図2)。

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