週刊エコノミスト Online書評

『琉球切手を旅する』 与那原恵著 中央公論新社 2090円

『琉球切手を旅する』 与那原恵著 中央公論新社 2090円

 本土復帰前の沖縄で259種発行された「琉球切手」。その美しい図柄を、返還までの沖縄の歴史と絡めて紹介している。初の切手は沖縄側から守礼門などが図案として示されたが、米軍が「王位をしのぶ宣伝手段になる」として許可せず、「民主主義を象徴する図案」に描き直すよう勧告。ソテツやテッポウユリなどに変えられたという。著者が言う通り、米軍の圧政下でも自らの存在の根を常に意識し、誇りを失わず生きた人々の姿が象徴されていると感じる。(W)


週刊エコノミスト2023年3月14日号掲載

『琉球切手を旅する』 与那原恵著 中央公論新社 2090円

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