教養・歴史アートな時間

不寛容な時代に問う「まちがい」 コント赤信号が28年ぶり舞台に 濱田元子

赤信号劇団「誤餐」集合写真
赤信号劇団「誤餐」集合写真

舞台 赤信号劇団第15回公演 「誤餐(ごさん)」

 渡辺正行、ラサール石井、小宮孝泰の多才な3人からなる「コント赤信号」が、テレビデビューを「花王名人劇場」で果たしたのは43年前のこと。演劇に特化した作品を目指し、1984年に旗揚げしたのが「赤信号劇団」だ。第1回は東京・下北沢のザ・スズナリで上演された。

 それぞれ俳優や演出家として活躍している3人が60歳も半ばを超え、28年ぶりに「赤信号劇団」として舞台に挑む。スズナリで、しかも作・演出は、作品が常に注目を集める桑原裕子(劇団KAKUTA主宰)というから見逃せない。

「『オレたちひょうきん族』世代なので、もちろんテレビで見ていました」という桑原。日本劇作家協会の大会で小宮が桑原作品をリーディング上演したことが、今回につながったという。

 舞台は、昼前から日暮れ前まで、短い間の出来事だ。「せっかく厳選されたキャスティングでやるので、ギュッと密度の濃い一日を描けたらいいなというのがありました」

 大学教授の逆井戸(渡辺)が家に戻ると、若い妻多映(たえ)(那須凜)の姿はなく、妻のバイト先の居酒屋店主の西条(小宮)が下着姿で寝ているところに出くわす。そこにかつて逆井戸と訳ありだった永久子(とわこ)(室井滋)とその夫源三(ラサール石井)がやって来る。永久子の息子(岩男海史(いわおかいし))と、逆井戸の大学の特別講師(若狭勝也)も絡み、事態は展開していく。

「今の大人は謝ること、まちがいを認めることがすごく下手だなと思って。日本自体もまちがいに対して…

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