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米信用収縮による不況は間近 市岡繁男

 今年3月の米銀行破綻劇は預金の流出を原因とする流動性危機であり、その際に米銀は米連邦準備制度理事会(FRB)から1日平均1170億ドルの特別融資(Primary Credit)を受けた。これはリーマン危機時を上回る金額だ。連邦住宅貸付銀行(FHLB)からも同機関の90年の歴史上、最も多い1110億ドルを借り入れた。

 FRBやFHLBからの資金調達コストは流出した預金金利よりはるかに高い。だから銀行は公的資金の返済を優先し、有価証券の売却や貸し剥がし等で、なりふり構わず資産を圧縮し、新規融資も抑制するだろう。これは信用収縮による不況が間近に迫っているということだ。

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