インバウンド再始動(編集部)
新型コロナウイルス感染症の蔓延(まんえん)で大打撃を受けた産業の一つが観光産業だった。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを一つのゴールとして、観光産業はインバウンド(訪日外国人客)の取り込みに注力し、インバウンドは着実に増えてきた。しかしコロナの感染拡大に伴い、外国人の入国が制限され、インバウンド需要は消滅した。
3年を経てコロナは終息に向かい、経済は正常化しつつある。22年10月に水際措置が緩和され、外国人観光客の訪日が再開した。インバウンド戦略を仕切り直す格好となったが、予想を上回るペースでインバウンドは増加してきている。今後、中国からの訪日が本格化すると、さらなる増加が見込まれる。一方でコロナ禍の爪痕は大きく、受け入れ態勢の不備が課題として挙がっている。
好機をとらえつつ、いかに課題を克服するか。観光立国に向けたインバウンド戦略が再び始まっている。
(村田晋一郎・編集部)
週刊エコノミスト2023年4月25日号掲載
インバウンド再始動=村田晋一郎