教養・歴史アートな時間

豊かな自然に囲まれた静岡に中仏韓日の演劇が集結 濱田元子

「XXLレオタードとアナスイの手鏡」©kisoul
「XXLレオタードとアナスイの手鏡」©kisoul

舞台 ふじのくに⇄せかい演劇祭2023

 富士山を望む劇場や歴史を感じさせる駿府城公園、日本平の豊かな自然に囲まれた野外舞台。静岡でしかできない舞台体験が、演劇ファン以外をも引きつける。恒例の「ふじのくに⇄せかい演劇祭」だ。

 今年は静岡県が中国の成都市、梅州市、韓国の全州市と共に「東アジア文化都市」に選ばれ、文化交流を図ることになっている。演劇祭にも中国、韓国から日本初演の話題作がラインアップされており、熱いゴールデンウイークになりそうだ。

 開幕は、中国とフランスを代表する作品が飾る。

「アインシュタインの夢」(4月29、30日、静岡芸術劇場、ノース・パーク・シアター製作)は中国の小劇場演劇をけん引する孟京輝の演出作品。

 物理学者アインシュタインが残した手紙や会話の記録などから着想を得たという。アインシュタインの不可思議な夢の世界が、映像やライブ演奏、アクロバティックな身体表現など多様な芸術スタイルで紡がれる実験的なフィジカルシアターだ。

 仏アヴィニョン演劇祭のディレクターをつとめたオリヴィエ・ピィ翻訳・演出による「ハムレット(どうしても!)」は、シェイクスピア悲劇の主人公であるハムレットが、西洋の偉大な思想家との対話によって新たなドラマを奏でていくという。

 韓国からは、いずれも日本初演の4作品が参加をする。その一つ、「XXLレオタードとアナスイの手鏡」(パク・チャンギュ作、チョン・インチョル演出、5月3、4日、静岡芸術劇場)は、修学旅行中の高校生が多数亡くなった14年のセウォル号沈…

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