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インドで生乳生産が低迷 10年ぶりに本格輸入へ 久保亮子

インドで神の使いとして神聖視される牛。国内のいたるところで見かける NNA撮影
インドで神の使いとして神聖視される牛。国内のいたるところで見かける NNA撮影

 インド政府は約10年ぶりに乳製品の本格輸入に踏み切る見通しだ。乳牛の皮膚病の流行と新型コロナウイルス感染拡大による畜産農家の繁殖作業の遅れが響き、生乳生産が低迷しているためだ。

 政府高官によると、インドは通常、乳製品のたんぱく質の成分であるカゼインや高価なチーズは輸入しているが、大量消費される脱脂粉乳やバター、ギー(乳脂肪)などは自給している。しかし、バターとギーの2月の在庫は3万6000トンと、前年同月(7万2000トン)比で半減した。

 昨年は20万頭近くの牛が皮膚病で殺処分となった。毎年6%の成長を続けてきた生乳の生産量は、今年は最大で2%の増加にとどまるとみられる。一方、今年の乳製品需要は8~10%増える見通し。輸入は「酪農家保護の観点から、非常時だけの切り札」(政府高官)だが、検討せざるを得なくなった。

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