ワシントン市街に最も近いレーガン空港の規制巡り議論過熱 吉村亮太
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春先あたりからロビイング合戦が繰り広げられ、メディアや街角でも意見広告が目に留まるようになっていたが、議会が2週間に及ぶ独立記念日(7月4日)の休会から明けると、ワシントンDCの空の玄関を巡る議論が再び熱を帯びる予定だ。
首都圏の西側には、ホワイトハウスから直線距離にして5キロ弱のレーガン空港と、40キロ近く離れたダレス空港がある。レーガンは短めの滑走路しかない小ぶりな空港。一方、映画「ダイ・ハード2」の舞台にもなったダレス空港は敷地がその15倍近くあり、大型機も離発着可能な滑走路を4本持つ。
1250マイルが上限
今回、争点になっているのはレーガン発着便の距離に関する規制だ。上限値は法律により、北海道から九州までの距離に相当する1250マイル(約2000キロ)に設定されている。それ以遠の都市にも飛んではいるが、あくまで例外措置であり、便数は極めて限定的だ。上限を設けたのは周辺市街地への騒音を低減させるとともに、あとから開業したダレス空港と短距離・長距離の役割分担により共存を図るのが目的だった。
緩和推進派の主張はシンプルだ。長距離路線を拡充することで乗客の利便性は増し、また航空会社間の競争が促され運賃も下がるので、前世紀の遺物のような規制を緩和すべきというもの。確かに航空機やそのエンジンは近年、大きな進化を遂げており、性能が向上し、静粛性も増している。
一方、ダレス空港は昨秋には新たな地下鉄路線が開通し、魅力が高まったので、競争を抑制するような措置はもはや不要なのかもしれない。新たな発着枠獲得に期待する航空会社の思惑も見え隠れしているが、取り巻く環境が変わったのであればルールを見直すべきという主張もわからなくはない。
もちろん緩和反対派にも言い分がある。第一に、レーガン空港はすでに限界に達しているのでこれ以上、便数を増やすのは無理があるというもの。航空行政をつかさどる連邦…
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週刊エコノミスト
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