中国の摩天楼はバブルの楼閣 市岡繁男
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いま世界の摩天楼の半数(108棟)が中国・香港にある。高層ビル建設には大量の資材が必要だが、昨年の中国のセメント消費量は世界の過半を占めた。しかも中国の2年分のセメント消費量は、米国が20世紀の100年で使用した総量と同じなのだ(図1)。
そんな中国の建設ブームを支えたのは借金である。昨年末、中国の民間債務は38兆ドルで米国と並んで世界一だった。それも2008年末からの14年間で33兆ドルも増加。その間の世界債務増加額の過半を中国一国が調達した計算だ。
では中国はなぜ、そんな多額の債務調達ができるのか。米金融サイト(Mish's Blog)は言う。「中国では返済が強制されず、債務不履行はほとんどない。銀行は不良債権を無期限に繰り延べするだけだ。本来、『費用』として計上されるはずの貸し倒れ損失の多くが、国内総生産(GDP)計算では『資産』として扱われており、中国のGDPとその資産は過大評価されている」
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週刊エコノミスト
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