『トルコ100年の歴史を歩く』　今井宏平著　平凡社新書　1056円

　トルコ共和国は今年10月に建国100周年を迎えた。西洋と東洋のあいだに位置するこの国は、はたしてどんな歩みで今日を迎えたのか。トルコというと歴史上名高いイスタンブールをすぐ想起するが、本書では現在の中心はあくまで首都のアンカラであると断言する。現地在住の著者ならではの視点と豊富な写真でアンカラという街を詳細に語るのが、従来の多くのトルコ関連本との大きな相違である。「アンカラを知ることはトルコを知ること」なのだ。（H）

週刊エコノミスト2023年11月14日号掲載

『トルコ100年の歴史を歩く』　今井宏平著　平凡社新書　1056円