スイス2大銀行の再編劇は静かに閉幕 竹上嗣郎
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今年の3月19日は日曜日にもかかわらず、スイスの金融市場に世界の注目が集まった。UBSによるクレディ・スイス(CS)の買収が発表されたのだ。直前にはCSの財務内容に懸念を持った投資家の売りが重なり、株価は急落。当時、米国では銀行の破綻が相次いでいたことから、スイス国立銀行(中央銀行)などは「CSはスイスの金融市場の直接的なリスクにはならない」との声明を出し、市場をけん制していた。
どちらかといえば、CSは投機的で「リスクを取る銀行」として財務内容の脆弱(ぜいじゃく)性が指摘されていた。だが、政府主導で一気に買収に進むと見ていた関係者は多くなかっただろう。
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