「中止」という政治的選択で有権者の民度を測る 古賀茂明
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古賀茂明の闘論席
大阪・関西万博の建設費が当初の2倍近くに膨れ上がることに批判が集まっていたが、今度はそれ以外にも800億円以上の費用がかかり、それも当初見込みよりも増えるという話が出てきた。万博の意義自体に疑問符がつく中でも、費用がどれほど増えようと、中止という選択肢が国からも大阪府・市からも出てこない。
一方、少し前になるが、10月4日、英国のスナク首相はHS2(ハイスピード2)と呼ばれる次世代高速鉄道計画の縮小を決めた。最高時速360キロでロンドンからバーミンガム、マンチェスター、リーズなどを結ぶ壮大な計画だ。スナク首相は、建設コスト上昇を考慮すると計画を進めてもペイしないと判断し、バーミンガム以北の路線全ての建設中止を決めたのだ。これで浮く予算は6兆5000億円。これを北部や中部などの新交通…
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週刊エコノミスト
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