『中小企業・スタートアップを読み解く』　加藤厚海、福嶋路、宇田忠司著　有斐閣　2640円

　メディアで取り沙汰されるのは大企業が多いが、日本の企業の大半が中小企業であり、それらが国の屋台骨となっていることは誰もが知る事実だ。本書は、伝統的な家族経営などの中小企業論をはじめ、漠然と「ベンチャー」と呼ばれていた領域も、いまや活力に満ちたスタートアップとして躍動している現状を精査する。人手不足や終身雇用制の崩壊など新たな局面を迎えている現代日本において、中小企業と起業を見つめ直すことは必須と言っていいだろう。（K）

週刊エコノミスト2024年3月12日号掲載

『中小企業・スタートアップを読み解く』　加藤厚海、福嶋路、宇田忠司著　有斐閣　2640円