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サウジが経済多角化で鉱山開発に積極投資 日本とも供給網強靱化で協力 鹿川裕翔

日本はサウジと中東地域初となる鉱物資源分野での覚書を締結した=23年12月(経済産業省のウェブサイトより)
日本はサウジと中東地域初となる鉱物資源分野での覚書を締結した=23年12月(経済産業省のウェブサイトより)

 サウジアラビアは、国家戦略「ビジョン2030」に基づき経済の多角化を進めている。高い需要を見込み、最近注力しているのがリンや銅などを含む鉱物資源分野だ。

 1月には首都リヤドで「Future Minerals Forum 2024」を開催。国内の鉱物埋蔵価値を2.5兆米ドルとし開発活動推進プログラムを発表した。ブラジル資源大手ヴァーレ傘下の鉱物企業への出資を決めた。パキスタンの銅鉱山開発への参画可能性も報じられた。

 鉱物資源の確保は日本にとっても重要な課題だ。経済産業省は「重要鉱物に係る安定供給確保を図るための取組方針」を策定。昨年12月の日サウジ・エネルギー協議では、重要鉱物供給網の強靱(きょうじん)化に向けた取り組みが確認された。さらに、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、サウジの産業・鉱物資源省、政府系鉱物企業と、第三国での協調投資などに向けた協力枠組みを発表。両国の新しい協働の可能性が開…

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