週刊エコノミスト Online編集後記

村田晋一郎/安藤大介

編集部から

 本号はEV特集だが、発売日前々日の3月30日に「EVのF1」といわれるフォーミュラEが日本で初めて開催される。本家のF1に比べると、開催規模や知名度、盛り上がりで劣る印象を受けるが、F1が70年以上の歴史を重ね、巨大なビジネスになっていることを考えると無理はない。

 そのF1は、日本では地上波の中継がなくなったが、開催国数は増え、拡大傾向にある。そして有料映像配信サービスDAZN(ダゾーン)で生中継され、世界的には人気を増している。今後のカーボンニュートラルの動きにモータースポーツがどのように折り合いをつけていくかは注目が必要だろう。

 また、例年10月に開催されていたF1日本グランプリが、今年は4月5〜7日に開催される。桜咲く時期の日本の姿が世界に発信されることは、さらなるインバウンド獲得にとっても好材料になると思う。

(村田晋一郎)

「線路でつながらない駅」。福井県への新幹線延伸のニュースを見て思い出したのは、2009年に完成した直後の福井駅の姿だ。

 北陸新幹線の福井駅は、線路より駅が先にできた整備新幹線初のケースとなった。異例の決定の背後にあったのは「原発マネー」だ。高速増殖原型炉「もんじゅ」(16年に廃炉決定)のトラブルなど、県は数々の原発の問題に絡めて、国に新幹線延伸を求めた。原子力行政を進める見返りに地域振興策を要求することを、関係者は「もんじゅ(原発)カード」と呼んだ。

 毎日新聞福井支局で09年から3年間勤務した筆者は、かつて無骨なコンクリート製高架橋だった“駅”に新幹線が走る映像を見て、不思議な感慨を覚えた。同駅付近は市街地空洞化で閑散としていたが、温かい気持ちにさせられる店も多かった。今はどうなっているのだろう。今度訪れてみよう。

(安藤大介)

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