週刊エコノミスト Online編集後記

谷道健太/平野純一

編集部から

 家賃が上がっているとよく聞くようになった。不動産情報サイトを運営する「LIFULL(ライフル)」のリポートによれば、東京23区のシングル向き賃貸物件の平均賃料は2月、前年同月より6.2%も高い9万7387円だった。東京23区の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の上昇率は2.5%だったから2倍以上だ。

 家賃が高いと聞く米国はどうかと思って調べると、サンフランシスコ約41万円、ロサンゼルス約28万円、ニューヨーク約33万円(米住宅情報サイト「アパートメントリスト」掲載の1ベッドルーム賃料中央値、3月)。東京の3〜4倍と猛烈に高いが、前年同月比はそれぞれ2.1%減、3.4%減、2.8%増という。サンフランシスコとロスは減少に転じ、ニューヨークも東京より上昇率が低い。

 これが意味のある比較かどうかは分からないが、気になる結果だ。

(谷道健太)

 三菱重工業が日本初の国産ジェット旅客機・スペースジェット(旧MRJ)の開発を断念して1年。日本は再び旅客機作りにチャレンジすることになった。

 政府はスペースジェットで得られた知見を生かし、今度は三菱重工1社ではなく、他の航空機・部品メーカーなど多くの企業を募って、2035年をメドに開発を目指す。

 スペースジェットは、航空当局から安全のお墨付きを得る型式証明の取得に手間取った。納入延期は6回におよび、約1兆円の資金をつぎ込んだが完成に至らなかった。

 開発の混乱を見てきた私としては、断念からわずか1年ですぐに動き出すかは疑問だが、もし政府が本気なら、失敗の現場を肌身で知る人の本音を集約できる体制作りが重要ではないか。本当の知見とは設計図やマニュアルではなく、人の頭の中にあるものだと思う。

(平野純一)

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