北條一浩/桐山友一
編集部から
本誌2023年3月14日号の「情熱人」で、熊本市の老舗書店・長崎書店の社長・長﨑健一氏に登場いただいた。その長﨑氏が同じく経営にあたる長崎次郎書店が、6月30日をもって休業に入ると発表された。
街の書店が閉じるニュースについては正直、「またか」という絶望感ばかりが先に立つが、この度の長崎次郎書店休業はとりわけ痛恨の極みである。
なにしろ創業が明治7(1874)年、あの森鷗外や夏目漱石、小泉八雲も訪れた名店である。外装にレンガをあしらった独特の木造建築は国の有形文化財に登録され、買った本を手に2階の喫茶室に上がれば、窓から熊本市電が行きかう光景が楽しめる。本好き・書店好きにとってこれ以上ない最高の時間と空間が味わえる場所なのだ。
そのたたずまいの記憶を身に刻むためだけでも、また熊本を訪ねたいと思う。
(北條一浩)
5歳の長女が漫画『ドラえもん』にはまっている。自分が40年前に読んだ漫画の話で長女と盛り上がれるのが何よりうれしいし、改めて今、『ドラえもん』を読み直すと、40年後もまったくストーリーが色あせていないことに驚いている。
嫌いな人を存在しなかったことにできるドラえもんの道具「どくさいスイッチ」は、最後にはのび太1人だけが残る世界になり、疑心暗鬼には際限がないことを教えてくれる。シナリオを書いた紙を入れて点火すると現実がシナリオ通りになるライター型の道具「シナリオライター」が登場する回では、のび太が書いたシナリオが伏線となり、笑ってしまう誤字として見事に回収される。
この大型連休に実家へ帰省した際、長女に譲ろうとしまい込んであった『ドラえもん』の漫画数冊を探し出してみせたが、ほこりだらけで「いらない」と言われた。
(桐山友一)
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