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教養・歴史 鎌田浩毅の役に立つ地学

落雷被害に備える㊦ 雷鳴が聞こえたらまず避難を/185

 日本では落雷が最も多いのは8月だが、実は季節を問わず発生している。気象会社フランクリン・ジャパンによると、過去10年間の平均で8月は90万7000回もの雷が落ちている。最も少ないのは2月だが、それでも2万4000回を数えている。では、雷の被害はどうすれば防げるだろうか。まず、雷鳴が聞こえてきたら、稲妻が見えなくても雷雲が近づいているため、落雷の前に安全な場所に避難することが大切だ。

 避難場所としては、鉄筋コンクリートや木造建築物、自動車や列車の内部が挙げられる。木造建築物の場合には天井や壁、また、電気器具や電話線から1メートル以上離れれば安全と考えられている。雷は地上にあるもっとも高い位置にある物体に落ちるので、屋外にいる時は高い樹木や物体を避けるようにする。

 ただし、あまり離れすぎて人の周囲に何もなくなると、人が最も高い物体となってしまい、その人の高さを目がけて雷が落ちてくる。そこで、屋外では周囲にある高い物体を45度の角度で見上げる範囲に移動すれば、人よりも物体に雷が引き寄せられる。

 具体的には、電柱など高さ5メートル以上ある物体から4メートル以上離れれば、物体から人へ電流が飛び移ることも避けられる(図)。なお、樹木はそれでも電流が飛び移ってくる恐れが高いため、樹木からは速やかに離れるようにしたい。屋外では頭をなるべく低くしてしゃがみ、鼓膜が破れるのを避けるため両手で耳をふさぐ。

 山登りの途上で雷鳴を聞いた場合には、山の稜線(りょうせん)を避けて低い場所を歩き、窪地(くぼち)などに避難する。登山の前に天気予報などを調べ、慎重に計画を練るようにしたい。ちなみに、身に着けている金属を捨てても、雷を避ける効果はない。また、ゴム靴を履いていれば安全と考える人がいるが、落雷のエネルギーの大きさを考えると同様に間違った情報である。

雷ナウキャストを参考に

 気象庁は2010年から、雷…

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週刊エコノミスト

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