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フォード・モーター HVを強化する米自動車大手 岩田太郎

米ニューヨークのモーターショーに展示されたフォードのハイブリッド車「マーベリック」(Bloomberg)
米ニューヨークのモーターショーに展示されたフォードのハイブリッド車「マーベリック」(Bloomberg)

Ford Motor 販売失速でEVは赤字に/116

 フォード・モーターは米自動車大手だ。世界162カ国の自動車販売データを集約する情報サイト「フォーカス2ムーブ」によれば、2023年の乗用車販売台数は前年比4.5%増の390万台と、ホンダに次ぐ世界8位だった。

 1903年、照明会社の技師だった39歳のヘンリー・フォードが、投資家12人から資金を得て創業した。約1カ月後に乗用車「モデルA」を発売し、利益を生み出した。08年に発売した「モデルT(T型フォード)」は安価で故障が少なく、生産を終えた27年までの販売台数が1500万台を超すベストセラーとなった。

 しかし、フォード工場の組み立て工法は作業員に不評で、ヘンリー・フォード博物館のウェブサイトに載る解説によれば、13年には「人々があまりに頻繁に退職したため、会社が人員を100人増やすには963人雇わなければならなかった」。そこで同社は翌年、日給を9時間当たり2.34ドルから8時間当たり5ドルへと大幅に引き上げた。労働環境は変わらなかったが、退職者は大きく減ったという。

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