ドイツでも欧州議会選で極右躍進 環境派の得票率は大幅減 熊谷徹
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6月6~9日に投票が行われた欧州議会選挙は、保守中道会派が首位を守り、極右会派が議席数を増やし、環境政党の会派は議席数を大幅に減らした。フランスでは極右政党の国民連合(RN)などが、与党連合の約2倍の得票率を記録したため、マクロン大統領は国民議会を解散し6月末の総選挙実施を発表した。
勝者は保守中道と極右会派だった。欧州議会の6月11日16時(ブリュッセル時間)の発表によると、ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)などが形成する保守中道会派・欧州人民党(EPP)は前回の選挙に比べて10議席多い186議席を確保し、首位を守った。また、RNなどが所属する極右会派「アイデンティティーと民主主義(ID)」は前回比で9議席増やして58議席を確保。これに対し、ドイツの緑の党などの会派(Greens/EFA)は、前回比で議席を18議席減らし大敗した。
独仏では、右翼政党が躍進。フランスの状況は冒頭に示した通りだ。そして右派ポピュリスト政党が勢いづいているのは、フランスとともに欧州連合(EU)の要であるドイツでも同様である。極右政党ドイツのための選択肢(AfD)が得票率を前回の11.0%から15.9%に引き上げて、第2党になった。AfDは、旧東ドイツでは首位に立った。キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は30.0%の得票率で首位を守った。ショルツ政権を構成する三つの連立与党は得票率を減らした。特に緑の党の得票率は20.5%から11.9%に急落。
独保守系紙『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』(6月9日電子版)は「選挙結果はCDUのメルツ党首が有権者から高く評価されたことを示す。同…
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週刊エコノミスト
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