浜條元保/岩崎誠
編集部から
「現時点で必要な措置は全て講じた」。2013年4月、日銀の黒田東彦総裁(当時)は円高・デフレの克服に異次元緩和を打ち出した。それから11年余り、植田和男現総裁は「最近の円安は物価の上振れ要因であり政策運営上、十分に注視する」と円安・インフレが“頭痛の種”となっている。
十年ひと昔というが、円相場に振り回され続ける日銀の姿=日本経済を思わざるを得ない。短期的には、金利差や需給が円相場を決める要因に違いない。だが、本質は著しくバランスを欠いた日本の国際収支にある。歯止めの利かない円安が構造問題として表れていると理解すべきだ。神田真人財務官のインタビュー(本誌6月4日号「為替は長期的には国力を反映する」)で、その確信を得た。
「自国通貨が安いことほど、惨めなことはない」。英国に住む友人からは悲鳴のメールが届く。
(浜條元保)
5月の大型連休明けに発売した本誌の特集は「ストップ!人口半減」でした。あまり正面から取り組んでこなかったテーマですが、日本の経済・社会の今後に大きく影響する問題だと考えています。
特集では白川方明・元日銀総裁の論考など日本の現状分析に加え、「少子化対策が成功した」とされてきた北欧やフランスで実は出生率が下がっていることなど、世界の最前線の動向もお伝えしました。
先日、2人の子供を育てながら教育、研究、女性研究者支援にまい進された千葉商科大の橋本隆子教授から聞いた「日本経済が低迷し若い人の共働きが当然になったことが(出生率向上への)転機になる」との言葉になるほどと思いました。「一家の大黒柱」が過去の話になることは、婚姻数や出生率に影響するかもしれません。さらに人口問題を深掘りしていきたいと思います。
(岩崎誠)
■次号のエコノミスト
2024年7月16・23日合併号 7月8日(月)発売 定価990円
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マンション管理&空き家の大問題
相続放棄で“ババ抜き”状態の悲惨/管理不全にしない鉄則とは
都合により変更する場合があります。
【お詫びして訂正します】
本誌6月25日号22ページの表「有価証券評価損益」の「地銀」の項で、30位の北陸銀行(ほくほくフィナンシャルグループ)の有価証券評価損益(2024年3月末)が「30,188(百万円)」とあるのは「83,258(百万円)」の誤りでした。北陸銀行の順位は15位となり、15位だった中国銀行から29位の群馬銀行まで順位が一つずつ下がります。訂正後の表は「週刊エコノミストOnline」に掲載しています。
本誌6月25日号72~73ページの図と本文で、三菱UFJ銀行(三菱UFJフィナンシャルグループ)からauじぶん銀行への出資比率が「25.2%」とあるのは「22%」の誤りでした。
以降の刊行スケジュール
7/30号 7月22日(月)発売 定価850円
8/6号 7月29日(月)発売 定価850円
8/13・20合併号 8月5日(月)発売 定価990円
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