週刊エコノミスト Online 編集後記

中西拓司/位川一郎

編集部から

「3カ月以上の滞納者はゼロ」。私が居住するマンションでは管理組合の理事会が開かれると、管理費や修繕積立金の収納状況が住民に報告されている。

 マンションによっては滞納者が増え、管理状態が悪化して資産価値が減る問題が起きている。管理組合によると、毎回こうした報告をすることで、居住者のモラルハザード(倫理観の欠如)の防止につながるという。

 滞納の原因として、高齢者の貧困や独居率の増加などが指摘されているが、人件費や資材価格の高騰で管理費などが上昇し、そもそも払えない人が増えたことが大きな原因ではないかと思う。

 自分の場合も、管理費などの負担は入居時より1.5倍上がった。廃虚マンションの増加をどう防ぐかが緊急の課題になっている。詳しくは今号の特集を読んでほしい。

(中西拓司)

 デジタル社会の進展に伴って消費電力が急増しているという記事を、時々見かけるようになった。AI(人工知能)の利用拡大でデータセンターなどの消費電力が増えているのが要因だという。脱炭素の実現を危うくする傾向だ。

 エネルギー基本計画の改定作業でも、電力需要の見通しは焦点の一つのようだ。需要増への対処法は、省エネ技術の開発や、再エネのさらなる拡大、原発の活用などになるのだろう。だが、理屈の上ではもう一つ解決策がある。AI開発そのもののスピードを緩めて電力消費を抑えることだ。

 成長の新しい原動力とされるAIにブレーキをかけるのは非現実的に見える。ただ、偽情報、人権侵害、軍事利用など、AIのリスクに着目して規制する動きは既に始まっている。地球環境への負荷という観点での議論も、もっとあっていいのではないか。

(位川一郎)

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【おわびして訂正します】

 6月4日号49ページ「視点争点」の表「法律で定められている日本の主な『ギャンブル』」で、「日本遊技関連事業協会」をパチンコの「運営団体」としているのは誤りでした。同協会は業界団体(一般社団法人)で、運営団体ではありません。

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