ニューヨーク市内のホテル代高騰は観光回復だけが理由ではなかった 冷泉彰彦
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国内外からのニューヨーク市への旅行客数が一気に回復している。特に、7月4日の独立記念日には、マンハッタン島の東西両岸で花火大会が同時開催されるとあって、多くの旅行者が殺到した。
不動産データを提供するコスター社によると、2023年の同市内のホテル代は1部屋当たり301.61ドル(約4万2000円)と300ドルの大台を突破し、史上最高になったという。旅行代理店のサイトなどでは、7月には事実上、400ドルを超える水準にもなっている。
原因には、23年9月施行の民泊規制がある。ホテル業界やその従業員組合によるロビイングの結果、市内の民泊は「30日以上の連泊に限って認可」となり、9割の民泊が廃業。加えて、難民申請者の審査期間中の避難所として、多くのホテルが借り上げられている。コスター社によれば、同市内の12%になる約1万6000室が常時借り上げられているという。
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週刊エコノミスト
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