東京の「独り勝ち」はいつまで続くか 市岡繁男
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日本の1人当たり所得はこの20年間、ほとんど増えていない。だが東京の一極集中でゆがんだ「全国平均」をみても、日本経済の実態はわからない。内閣府が発表する「1人当たり県民所得」をみると、東京の伸び率が突出する一方で、20年前の水準を下回る府県は24もあり、大阪などは11%も減少している(図1)。同データで東京の次に伸び率が大きいのは青森等だが、これは所得の落ち込み以上に人口が減少したことが要因だ。そもそも、この20年間で県民所得が増えたのは東京と沖縄、愛知、千葉の3県しかない。
東京の1人当たり所得が急増したのは、21世紀以降のデジタル化とグローバル化で、東京の情報集積地としての価値が高まったからだ。このため東京の単位当たりの平均地価は、全国一安い秋田の67倍に格差が広がっている(図2)。
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週刊エコノミスト
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