米国で65歳以上の再婚率上昇 周囲もシニアラブを応援 小林知代
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11月の米大統領選でとりわけ注目されてきたのが候補者の年齢である。選挙戦からの撤退を表明した81歳のバイデン大統領が、過酷で重要な職務を4年間遂行できるのかと、メディアは一挙一動を注視してきた。一方で、こうした議論もさることながら、年齢を巡って米国で関心が高まっているのが高齢者による恋愛や結婚、「シニアラブ」である。
筆者の友人は昨年、父親を亡くした。彼女の両親は大学生時代に知り合い、50年以上の人生を共にしてきたので、「残された母親はさぞかし寂しい思いをしているに違いない」と心配していた。ところが母親は、夫の死後間もなくボーイフレンドを見つけ、今ではアクティブで楽しい同居生活を満喫しているという。当初は複雑な心境だったという友人も、今は母親の第二の人生を応援している。
シニアラブの盛り上がりは、リアリティーショー(番組)にも表れている。独身の男女が複数の異性と交際し、最終的に一人の男女と結婚に至るまでの過程を追うテレビ番組「ザ・バチェラー(独身男性)」「ザ・バチェロレッテ(独身女性)」は大人気だが、最近ではシニア(60歳以上)を対象とする「ゴールデン」を冠につけた「ザ・ゴールデン・バチェラー」が始まった。初回の番組に登場した男性は72歳(伴侶とは離婚)、女性は62歳(伴侶とは死別)。視聴者はセクシーな二人の恋の行方を見守っている。
高齢者の再婚率は上昇
米国の高齢者の再婚率は上昇している。1990年と2018年を比較した調査によると、若い世代の再婚率は減少する一方、65歳以上の再婚率は4.6%から5.3%へと増加していた。筆者の周囲でも、配偶者が亡くなってから次に移るスピード…
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週刊エコノミスト
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