週刊エコノミスト Online 書評 『闇の中国語入門』 楊駿驍著 ちくま新書 990円 2024年8月30日 『闇の中国語入門』 楊駿驍著 ちくま新書 990円 「不満」「焦燥」「冷たく無関心」など、通常の語学入門書では出てこない心と社会の闇を表す45の中国語を通じて現代中国を読み解く異色のテキストだ。ひ弱さを意味する「娇气(チャオチー)」は、文化大革命や改革開放初期の大変動を体験していない若い世代に対して使われることなどを紹介、経済成長の陰で混乱が広がるかの国の姿を浮き彫りにする。同時に、自身も中国出身の著者はそうした闇が新しいものを生み出すと前向きな見方を示す。(W) 週刊エコノミスト2024年9月10日号掲載 『闇の中国語入門』 楊駿驍著 ちくま新書 990円 前の記事 『大適応の始めかた』 モーガン・フィリップス著 みすず書房 3300円 次の記事 『冷戦後の日本外交』 高村正彦ほか著 新潮選書 1705円 文字サイズ 小中大 印刷