『没落官僚』 中野雅至著 中公新書ラクレ 990円
『没落官僚』 中野雅至著 中公新書ラクレ 990円
かつてはエリートの代表とされた中央省庁の官僚は今、離職者続出や志願者減少に見舞われている。自身も元官僚の著者が、行政改革が本格化した1990年代後半以降、地盤沈下し続ける官僚の窮状を解説する。「官邸主導」がゆがんだ形で進んだ結果、官僚は政治家の“下請け”と化し士気が悪化。一向に改善されない長時間の劣悪な労働環境も敬遠されていると指摘する。官僚の政策立案能力が低下している可能性にも言及しており、憂慮すべき事態だ。(W)
週刊エコノミスト2024年9月24日・10月1日合併号掲載
『没落官僚』 中野雅至著 中公新書ラクレ 990円