週刊エコノミスト Online 編集後記

中西拓司/位川一郎

 IT企業の男性社員は、なぜTシャツにジャケット姿が多いのか? 11月26日号の特集「電力インフラ大投資」でデータセンター(DC)を取材し、その理由が少しわかった。

 DC内部には無数のサーバーがあり、近付くと結構蒸し暑い。しかし、空調機で冷却し続けているので場所によっては寒くも感じる。首都圏のDCを訪れた際、システムエンジニアとおぼしきスタッフが出入りしていたが、Tシャツ姿の人もいた。

 パソコンなどが欠かせない社員にとってはTシャツが一番快適で、室温などに応じてジャケットで調節するスタイルが一番効率がいいのかもしれない。

 バブル期には、カーディガンを羽織り、両袖を胸の部分で結ぶ「プロデューサー巻き」がはやった。テレビ業界から派生したとの説もある。仕事のファッションも、はやりの職業に応じて変化するのかもしれない。

(中西拓司)

 今年、「最高のシーズン」を送った大谷翔平選手。成績にも人柄にも称賛の言葉しか出てこないが、一つだけ不満がある。報酬の巨額さだ。

 10年総額7億ドルは、大谷選手が実現する成果への期待に見合っていて、たぶん経済合理性がある。しかし、日本人の平均年収の1000倍を超えるような金額を1人の選手に支払うのは、やはり限度を超えていると思う。

 もっとも、大谷選手自身は金額が多いか少ないかに関心が薄そうに見える。問題は、格差の拡大を許容する米国の報酬システムだろう。

 程度の差はあれ日本も構造は同じだ。衆院選の結果、「手取りを増やす」がテーマになった。方向性はいいが、有効な財源の議論がほとんどない。格差の是正につながる金融所得課税、内部留保課税、資産課税などがなぜ検討されないのか、不思議でならない。

(位川一郎)

 ■次号のエコノミスト

2024年12月24日号 12月16日(月)発売 定価850円

戦後80年 躍進と長期停滞の先は──

日本経済総予測2025

日銀の利上げは何回? 円安はどこまで?

都合により変更する場合があります。

以降の刊行スケジュール

12/31・1/7合併号 12月23日(月)発売 定価990円

1/14・21合併号 1月6日(月)発売 定価990円

1/28号 1月20日(月)発売 定価850円

【おわびして訂正します】

 11月26日号33ページ「蓄電池ビジネス」の記事で、「住友商事も今年4月、2000億円を投じて、全国に蓄電池を設置すると発表した」とあるのは、「住友商事も3月、北海道で蓄電所の商用運転を開始し、全国展開を進める方針だ」の誤りでした。住友商事が4月に発表した事実はありませんでした。

週刊エコノミストのご購読は、定期購読が便利です。

★お申し込みは雑誌のオンライン書店Fujisan.co.jpまで。QRコードもしくは0120-223-223へ

フェイスブック、X(旧ツイッター)は随時更新

https://www.facebook.com/economistweekly

https://twitter.com/EconomistWeekly

◎記事内容のお問い合わせ

編集部 ℡03-6265-6743

◎広告掲載

毎日新聞出版 戦略営業グループ

℡03-6265-6731


週刊エコノミスト2024年12月10・17日合併号掲載

編集後記 中西拓司/位川一郎

インタビュー

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

1月14日・21日合併号

中国・動乱前夜16 学生20万人が深夜サイクリング 指導部が警戒する「動乱」の兆し■安藤大介19 インタビュー 柯隆 東京財団政策研究所主席研究員 米中対立は激化必至 習政権に解見つからず20 経済成長 GDP押し下げるトランプ関税 長引く不動産不況に追い打ち ■三浦 祐介22 消費不振長期化 不動 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事