大型設備から分散へシフト 電力2強の丸紅・三井物産=種市房子 商社の深層/121
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電力会社以外の企業が発電・卸売りを手がける独立系発電事業(IPP)の持ち分発電量で、商社1、2位を激しく争う丸紅と三井物産。この分野で長年トップに君臨してきた丸紅を、2017年に三井物産が抜き去ったことが話題になったが、現時点では、丸紅がトップを奪還したようだ。
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典型的なIPPは、石炭火力など巨大な発電設備を建設したり、あるいは調達した上で発電事業を手がけ、地元の公社や電力会社などに15~20年程度一定価格で発電した電力を全量買い取ってもらう長期売電契約付きだ。大型・集中電源と大規模送電網を前提としたモデルだが、商社は再生可能エネルギーへと少しずつ軸足を移している。
丸紅の英子会社「スマーテストエナジー」は、風力など小口の再エネ由来の電力を買い取り、いったんまとめて、卸売市場や法人へ小売りする。農家にある1本の風車レベルの小口発電者から買い取りをしており、設備容量は3100メガワットに及ぶ。同国内の中小規模発電事業者の中で10~15%を占める発電量だ。
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週刊エコノミスト
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