論壇・論調 米国で「ギグエコノミー」急拡大 本業の低賃金が休みない労働へ=岩田太郎
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米国で失業率が歴史的低水準に下がる一方で、賃金の上昇は弱い。そうした中、苦しい家計を助けるために単発で仕事を請け負う「ギグエコノミー」が広がりを見せている。
労働経済学者であるハーバード大学のローレンス・カッツ教授とプリンストン大学のアラン・クルーガー教授の研究では、2005年に米国の労働人口の10・7%であった「非典型就業形態」であるギグエコノミー労働者の割合が、15年には15・8%に増加した。
ギグエコノミーに関する著書を8月に出版した、コーネル大学のルイス・ハイマン教授は8月23日付のニュースサイト「スレート」のインタビューで、「一時雇いの形態は、企業の収益が低迷を始めた1960年代後半から徐々に拡大したが、正規雇用が普通であった当時は奇異に見えた。だが、現在はごく自然なものだ」と、歴史的背景を解説した。
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週刊エコノミスト
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