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論壇・論調 極右勢力の暴動で独の閣内対立 左派「ファシズムの手口」と攻撃=熊谷徹

暴動を正当化したAfDのガウラント党首
暴動を正当化したAfDのガウラント党首

8月26日に旧東独のケムニッツでシリア難民がドイツ人を刺殺した事件をきっかけに、ネオナチら約6000人が抗議デモを実施。一部のデモ参加者が暴徒化し路上で外国人を追い回して約20人を負傷させたり公衆の面前でナチス式の敬礼を行ったりした。

 ドイツの日刊紙『ヴェルト』は8月29日付の電子版に右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のA・ガウラント党首とのインタビューを掲載。同党首は「ドイツ人が難民に殺された事件の後に、市民の怒りが爆発するのは当然だ」と述べた。またAfDのある議員がツイッターで「政府が市民を守れないのならば、人々が路上へ出て自衛するのは当たり前のこと」と発言したことについても、同党首は「彼は正当防衛について語ったのであり、市民が犯罪者を自分の手で処罰せよと言ったわけではない」として擁護した。

 だが同紙の9月29日付の電子版は「8月27日の夜に覆面を付けたネオナチ約10人がケムニッツのユダヤ料理のレストランに石や鉄パイプを投げつけて窓ガラスを壊し、店主に軽傷を負わせた。暴徒は『ユダヤ人の豚はドイツから出ていけ』と叫んでおり、検察庁はユダヤ人を標的とした襲撃事件として捜査している」と伝えており、「市民の正当防衛」として片づけられる事態でないことは明白だ。

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