新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

法務・税務 学者が斬る・視点争点

自治体が会計の現実に向き合う難しさ=澤邉紀生  

自治体も資産の会計情報を把握=澤邉紀生

 

 地方自治体にもマネジメントが必要であり、マネジメントに役立つ会計データを整備する動きが国内でも急速に進んでいる。総務省が2016年に公表した「地方公会計の活用のあり方に関する研究会報告書」では、行政の効率化や適切な資源配分のために会計情報の活用が提案されており、それと呼応して、民間企業が利用している複式簿記に基づいた財務書類(「統一的な基準」による財務書類)を作成することが地方自治体に求められた。17年度で全国1788自治体の約98%が統一的な基準による財務諸表を作成している(表1)。

 旧来の現金主義の会計データ(単式簿記)では、現金の増減に焦点が当てられているため、どのような原因で現金が増えたのか(または減ったのか)、それがどのような効果を持つのかは二義的なものとなる。例えば、建物などであれば、取得した会計年度に現金支出処理してしまえば資産が計上されることもない。そのため日本の地方自治体では、保有資産に関する会計情報を最近までほとんど持っていなかった。

残り2313文字(全文2767文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

11月26日号

データセンター、半導体、脱炭素 電力インフラ大投資18 ルポ “データセンター銀座”千葉・印西 「発熱し続ける巨大な箱」林立■中西拓司21 インタビュー 江崎浩 東京大学大学院情報理工学系研究科教授、日本データセンター協会副理事長 データセンターの電源確保「北海道、九州への分散のため地産地消の再エネ [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事