週刊エコノミスト Online特集

日本株「根拠なき熱狂」支えの円安は“外部要因”頼み=大川智宏 偽りの世界経済

 9月後半以降、「スピード違反」ともいえる日本株の急騰が継続しているが、問題はその上昇の背景と持続性だ。現在の上昇相場は、海外マクロ、そして日本株市場の需給を見るかぎり“短期的な終焉(しゅうえん)”を示唆する材料に実は、事欠かない。

 まず、海外マクロの動きだ。現在の日本株の上昇をけん引している最大の要因は「円安・ドル高」の進行である。一般に円安の進行は日本株にプラスで、特に輸出産業の収益に直接的な恩恵をもたらす。

 しかし、その円安が進行している背景に着目したい。足元、米国景気の過熱やインフレ期待によって、米連邦準備制度理事会(FRB)は継続的な利上げを実施し、ドル高を促進していることは周知の通りだ。だが見逃せないのが、不安定な欧州情勢と原油高である。

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