週刊エコノミスト Online特集

「新冷戦」で日本は上昇気流に乗る=エミン・ユルマズ 異論! 偽りの世界好景気 

     冷戦が1989年のベルリンの壁崩壊で終了し、その翌年に日本のバブルがはじけて停滞の時代に入った。冷戦構造がなくなり、日本の地政学的な重要性は後退。中国の巨大市場が開放されて世界中の投資が殺到し、日本に対する投資家の関心は低下した。

     しかし、2013年のシリア内戦で、中国とロシアが米国と覇権を争う「新冷戦」の構造が明らかになった。この年、ロシアが支援するアサド政権軍の化学兵器使用が疑われ、米軍が軍事介入を検討した。さらに翌14年2月には、ウクライナで親露派の政権が親欧米派の反政府デモの激化を受けて崩壊する「ウクライナ危機」があった。

     世界地図を広げて、この二つの国を線で結んでみてほしい。この線の下には、トルコ、サウジアラビア、イエメンが並んでいる(図1)。トルコは米国との対立で通貨リラの急落を招き、エルドアン政権がロシアに接近。イエメンでは15年から内戦が始まったが、中東で覇権を争うサウジアラビアとイランの代理戦争の様相を呈している。こうした「ライン」の下にある国々は、新しい秩序の構築に向けて大きな転換が起きており、「地政学…

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