楊逸の読書日記 詐欺師か経済学者か 歴史を動かす問題児たち
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猛暑。台風。地震。立て続けに天災に見舞われた日本。ようやく秋風が吹き始めた。一方野菜の値は高騰した。平年の同時期と比べ、キャベツは50~60%も高く、ニラは1束150円に跳ね上がった。
ふと、最近中国のちまたでささやかれている「割韮菜」を思い出す。元々「ニラ刈り」という意の俗語だったが、近年株価を操作することで一般投資者から投資金を巻き上げ、一部の者が利益を得る手法の暗喩として使われている。
一部の者? そんな疑問を頭に、『世界史を変えた詐欺師たち』(東谷暁著、文春新書、980円)に惹(ひ)きつけられた。「一人を騙せば犯罪だがみんなを騙せば経済政策?」帯に書かれたその一文を読んで、日ごろ見聞きする○○ノミクスといった類いの、いかにも経済学らしい用語が目に浮かび上がる。
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週刊エコノミスト
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