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教養・歴史 書評 読書日記

ブレイディみかこの読書日記 ミクロでもマクロでもフェミニズムは闘う

『説教したがる男たち』
『説教したがる男たち』

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「マンスプレイニング」という言葉を日本語でも目にするようになった。Man(男性) とExplaining(説明)を一つにした造語で、男性が上から目線で女性に物事を説明したがる態度を意味する。この言葉を流行させたのが、レベッカ・ソルニット著『説教したがる男たち』(左右社、2400円)だ。

 冒頭の表題エッセイは、パーティーで出会った男性が最近読んだ本について滔々(とうとう)と語り始め、自己満足した表情でレクチャーしてくれたのだが、それは実は彼女が書いた本だった、というコミカルな出来事から始まり、なぜか最後にはレイプと殺人の話に行き着く。

 著者は書く。米国で起きる大量殺人の犯人は白人男性が多いという論文があるが、コメンテーターたちが反応するのはいつも「白人」の部分だと。米国では誰でも銃が手に入るのに、殺人犯の90%は男性だ。女性は男性に比べて驚くほど暴力性が低いということがわかれば、男性の暴力がどこから来るのか理論化できるはずだと著者は指摘する。

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