＜電子デバイス各社に聞く「我が社の強みと戦略」＞

　２０１８年４～６月期の連結決算は、売上高が前年同期比26％増の３４５５億円、営業利益が同15％増の４８２億円だった。当社の市場別の売上高は通信向けが５割を占めているが、スマートフォン（スマホ）向けの積層コンデンサー（ＭＬＣＣ）などが伸び、同分野は４～６月期に15％の増収となった。スマホ市場の落ち込みが心配されたが、中国のスマホの過剰在庫が解消され、市況は元に戻りつつある。さらに、スマホの高機能化の流れは続いており、部品点数も増えている。

　例えば、当社の液晶ポリマーを用いた樹脂多層基板「メトロサーク」（編集部注：アップルがｉＰｈｏｎｅで採用）は、曲げることが可能で、非常に狭いスペースに回路が収納できる。今はまだ、アンテナ周りが中心だが、使われる周波数帯が増えるに従ってアンテナの数も増えていく。高機能化で課題となるスペース問題に対する有効な解になる。