週刊エコノミスト Online編集後記

編集部から 花谷美枝/稲留正英

編集部から

 正体不明の路上芸術家バンクシーさんの作品が、ロンドンのオークションで約1億5000万円で落札された直後、内蔵されたシュレッダーが起動して細断された。バンクシーさんは、数年前に額縁に仕掛けを仕込んでいたことを写真共有アプリで明かしている。意図は不明だが、芸術作品の高額取引を皮肉ったことは間違いない。

 10月9日号のストラディバリウス特集を担当したばかりだったので、バンクシーさんの「いたずら」には考えさせられた。300年ほど前に製作された一部のバイオリンは、10億円前後の価格で取引される。だが、現代の新作バイオリンは、「名工」の作品でも1000万円を超えることは少ないという。

 白状すると、古い楽器と新しい楽器の響きの違いが私にはわからない。古くて高価という「ありがたさ」を切り刻んだ後に残る価値を理解する人はどれくらいいるだろうか。

(花谷美枝)

 我が家がひそかな「韓流(ハンリュウ)」ブーム。長女が韓国のヒップホップグループ「防弾少年団(BTS)」のファンで、彼女に背を押され、今夏、一緒に韓国ソウルを訪ねたのがきっかけだ。

 長女は買い物とグルメが目的だったが、私は「景福宮(キョンボックン)」など王朝時代の建物を見て回った。その際、ツアーに参加していた初老の日本婦人と韓国人の女性ガイドが、歴史ドラマ「師任堂(サイムダン)、色の日記」について「主演のイ・ヨンエさんは本当にきれいですよね」などと話すのを聞いて、興味を持った。

 帰国後、ビデオを借りたが、この李氏朝鮮時代の女流画家と王族のメロドラマにすっかり、はまった。続いて、イ・ヨンエさんが出演の南北軍事境界線上にある共同警備区域(JSA)を舞台にした2000年の映画「JSA」も見た。南北に引き裂かれた民族の悲劇が伝わってきた。「南北融和」の行く末も気になる。

(稲留正英)

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