『WORK DESIGN 行動経済学でジェンダー格差を克復する』 評者・樋口美雄
有料記事
著者 イリス・ボネット(行動経済学者) 訳者 池村千秋 NTT出版 2700円
性的偏見の影響を縮める制度の「デザイン」提案
雇用において人々を差別することは、企業にとっても利益の損失につながり、競争社会では生き残っていけないと経済学は言う。だが現実には、男女差別禁止の法規制や均等促進施策が用意されても、男女格差はなかなか解消されない。
仕事の現場では、経験や勘、本能に基づくジェンダーバイアス(性的偏見)が行動を規定し、人事評価に強い影響をもたらす。このバイアスを直ちに矯正することは難しく、当面、バイアスの影響を縮小させるよう、採用や昇進、仕事の進め方の仕組みを「デザイン」(設計)することが有効である。本書は、実験の成果や行動経済学を礎に、デザインの力による男女格差解消のための理論と実践を解説する。企業の実務家や政策担当者にも分…
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週刊エコノミスト
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