教養・歴史Book Review

『オリンピックと東京改造 交通インフラから読み解く』 評者・小峰隆夫

    著者 川辺謙一(交通技術ライター) 光文社新書 800円

    1964年と2020年 交通資本の観点から比較

     著者は、交通技術ライター。評者はエコノミストなのでほとんど接点はないのだが、大変興味深い論点を取り上げているので紹介したい。

     2020年に東京オリンピック・パラリンピック(以下、五輪)が開催される。この五輪をめぐっては、その経済効果や将来に残るレガシー、さらには五輪後に不況が来るなど多様な議論がある。筆者は交通関係社会資本という観点を中心に、今回の五輪と前回1964年の五輪を比較して、今回は、その影響の表れ方が全く異なることを示している。

     前回の五輪時には多くのレガシーが残った。開会式の9日前に東海道新幹線が開業し、首都高速道路の一部が開通した。3週間前には東京モノレールが開通している。

    残り845文字(全文1194文字)

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