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週刊エコノミスト Online Book Review

『グローバル金融危機の衝撃と新興経済の変貌 中国、インド、ブラジル、メキシコ、東南アジア』 評者・服部茂幸

編者 河村哲二(法政大学教授) ナカニシヤ出版 3800円

変化するパワーシフト 新興国経済の注視で分析

 2008年のグローバル金融危機は、アメリカを起点とするそれまでの経済成長のパターンを崩壊させた。日米欧の危機後の経済回復は遅い。他方、中国、インドといった新興国の回復は比較的早かった(全ての新興国の経済が順調というわけではない)。それが世界経済のパワーシフトを引き起こしている。

 危機後、新興国の中でも、中国、インド、ブラジル、メキシコなど地域大国は内需中心の経済成長を目指していると本書は述べる。他方、ASEAN(東南アジア諸国連合)、韓国、中南米の周辺国といった中小国は域内統合を進めている。

残り854文字(全文1154文字)

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経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

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